水質管理・処理への取り組み

殺菌効果の低下による危険性

遊離残留塩素濃度と殺菌効果との関係

通常、遊離残留塩素の計測方法として、次亜塩素酸ソーダを浴槽・プール(pH中性域)に投入または、注入すると
次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンに解離、計測・管理されます。
スポーツクラブのプールにおきましては、pH調整は勿論のこと遊離残留塩素に加え結合残留塩素の測定にも神経を注ぎ、

1日24時間0.4~1.0㎎/Lの遊離残留塩素を保ち、殺菌効果を十分に発揮させるための管理、及び、
刺激臭の低減を日常の水質管理に盛り込んでおります。

貯水槽・浴槽の水質管理における問題点と危険性

天然温泉水によっては、アルカリ泉・酸性泉の効能を生かした営業をするため、プールの様に容易にpHを調整することができません。
それ故に、酸性泉では、営業中塩素を絶やさず注入すると結合塩素(三塩化窒素)が多量発生し、
「刺激臭がする」などの利用者様からの指摘もある為、アルカリ泉では、塩素の特性上殺菌効果は薄れてしまいます。

遊離残留塩素には、前述の次亜塩素酸と次亜塩素酸イオン。
結合塩素にはモノクロラミン、ダイクロラミン、トリクロラミンと順番に分解され
最後のトリクロラミンのことを三塩化窒素俗称では刺激臭、カルキ臭と呼んでいます。

殺菌効果が下がると微生物の繁殖を促し、水の透明度は悪化、最悪の場合アメーバ(レジ菌の宿主)の増殖媒体となり、
レジオネラ菌が発生することとなります。

レジオネラを含む微生物と水温・水量の関係

現在の状況により、プールと温泉等施設を比較すると明らかに温泉等施設の方がレジオネラを含む微生物の危険にさらされています。
もう一方で、水温の高い方が塩素の自然消滅時間が早く、保有水量が多ければそれに比例して
同じ塩素濃度でも塩素保有量も多くなるので殺菌に効果的となります。

モノクロラミンと遊離塩素の比較

それぞれの分解速度

【プールでのレジオネラ感染症が少ない理由】
第1の理由に、体力的に元気のある人が多く入水していることは当然のことでしょう。
レジオネラ肺炎に侵されることなくポンティアック熱や風邪の初期症状程度で体内での防御作用が強く働いているのかもしれません。
第2の理由は、水中には人間の代謝物としてアンモニアが存在します。アンモニアと結びついて発生する結合塩素のうちモノクロラミンは、

無臭、低刺激性の結合塩素で遊離塩素のうち次亜塩素酸の約半分の宿主致死効果ですが、次亜塩素酸イオンの約5倍の効果があり、
塩素を浴槽に投入して消滅するまで、遊離塩素に比べ約1440倍の残留時間を有しています。
このモノクロラミンがレジオネラ「陰性」に寄与していることが証明されております。

遊離塩素の分解速度モノクロラミンの分解速度
図2 遊離塩素の分解速度図3 モノクロラミンの分解速度

レジオネラ菌のメカニズムの解明と 画期的な消毒法の発見

レジオネラ菌は、アメリカで「Legionella」と表記され、この菌に対してとても敏感な国であり、この菌が発見された国としても有名です。
アメリカの浄水処理場では消滅するまでの時間の有効寄与度を利用して大規模なシステムでモノクロラミンを故意に生成し、
遊離塩素と併用しながらレジオネラ菌の隠れ家であり、栄養源であるアメーバの処理に役立てているそうです。

今まで複雑であったモノクロラミンの生成を簡単に誰にでも行うことができ、しかも安価な処理剤として
「フリップフラップ(遊離塩素とモノクロラミンを併用すること)消毒法」が、日本の水道と共に歩み続け、
水を知り尽くした研究者、関 秀行氏により、レジオネラ属菌が増殖するメカニズムの解明から考案され、
画期的なレジオネラ症対策用消毒法として販売されることとなりました。

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